

少しでも不安・違和感・痛みを感じたらまずは当院へお気軽にご相談ください。
スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎では、抗ヒスタミン薬や点鼻薬によって症状を抑える治療が一般的です。
舌下免疫療法(SLIT:Sublingual Immunotherapy)は、原因となっているアレルゲンを少量ずつ毎日体内に取り入れることで、そのアレルゲンに対する過剰な免疫反応を徐々に起こしにくくしていく治療です。
現在、日本で保険診療として行われている舌下免疫療法には、
があります。
抗ヒスタミン薬などの「症状が出たときに抑える治療」と異なり、アレルギー疾患そのものの自然経過を変え、治療を終了した後にも効果が持続することが期待できる治療(根本治療)であることが大きな特徴です。
当院では、舌下免疫療法が国内で開始された当初から積極的に治療に取り組んでいます。
これまでの8年間で、
合計2,268名の患者さんに舌下免疫療法を行ってきました。
※2026年8月時点
小さなお子さんから学生、働き盛りの方まで幅広い年代の患者さんを診療しており、治療開始時だけでなく、数年間にわたる継続治療や治療終了のタイミングまで長期的にフォローしています。
舌下免疫療法によって、
といった効果が期待できます。
ただし、すべての方に同じように効果が出るわけではありません。
一般的には、約8割程度の方で何らかの改善が期待できるとされていますが、十分な効果が得られない方もいらっしゃいます。また現在のところ、治療を始める前に「誰に非常によく効き、誰に効きにくいのか」を正確に予測する方法は確立していません。
そのため当院では、メリットだけではなく、効果には個人差があることも十分に説明したうえで治療を開始しています。
舌下免疫療法は、数週間・数か月で終了する治療ではありません。
現在は、少なくとも3年間、できれば4~5年間続けることをおすすめしています。
治療開始後すぐに効果が現れるわけではなく、一般的には数か月かけて徐々に効果が現れます。また、治療を継続することで、1年目より2年目、2年目より3年目と効果が高まることが期待されます。
日本アレルギー学会の「アレルゲン免疫療法の手引き2025」でも、3~5年間の継続治療が望ましいとされています。
当院では、単に「3年間やれば終了」と考えるのではなく、治療中の効果や服薬状況、その後どの程度効果を維持したいかなどを考えながら、可能であれば4~5年間の治療をおすすめしています。(*アトピー、喘息の方には5年以上をおすすめしています)
舌下免疫療法の大きな特徴の一つが、治療を終了した後にも効果が持続することが期待できる点です。
これは、服用している間だけ症状を抑える抗ヒスタミン薬などとの大きな違いです。3~5年間しっかり治療を続けることで、治療終了後にも年単位で効果が持続することが期待されています。
ただし、「5年間治療すれば一生花粉症にならない」という治療ではありません。
治療終了後も長期間症状がでない、もしくは軽い方がいる一方、時間の経過とともに再び症状が強くなる方もいます。
そのため当院では、できるだけ長く治療効果を残すことを目標として、十分な期間治療を継続することが大切と考えています。
当院では、小児の患者さんにも積極的に舌下免疫療法を行っています。
子どものアレルギー性鼻炎は、単に「鼻水が出る病気」ではありません。
鼻づまりやくしゃみによって睡眠の質が低下したり、日中の集中力が落ちたりすることで、勉強・受験、スポーツ、学校生活、睡眠などに影響することがあります。
また、アレルゲン免疫療法には現在の鼻炎症状を改善するだけでなく、新たなアレルゲンへの感作や、将来の喘息発症を抑制する可能性についても研究されています。
ただし、これらの予防効果についてはまだ検討が続いており、舌下免疫療法を行えば必ず喘息や他のアレルギー疾患を予防できる、という意味ではありません。
長い将来を考えると、小児期から原因となっているアレルゲンそのものに対して治療を行うことには大きな意義があると当院では考えています。
当院では5歳から舌下免疫療法を行うことができます。
ただし、年齢だけで治療を開始するわけではありません。
小さなお子さんの場合には、
なども大切です。
そのため、5歳以上であっても、お子さん本人の理解度や服薬が可能かどうか、ご家族のサポートなどを確認して治療開始を判断します。当院では幼稚園児・小学生から治療を開始し、3年間以上継続しているお子さんも多くいらっしゃいます。
スギ花粉症とダニアレルギーを両方持っている方は珍しくありません。
その場合には、症状が強い時期、アレルギー検査の結果、日常生活への影響などを確認し、まずどちらから治療を開始するかを決めます。
スギとダニ、両方の舌下免疫療法を行うことも可能です。
ただし安全性を確認するため、通常は2種類を同時に開始するのではなく、まず一方を開始し、治療に慣れて問題がないことを確認してから、もう一方を追加します。
治療薬を1日1回、舌の下に置いて1分間保持した後に飲み込みます。その後5分間は、うがいや飲食を控えます。
治療開始時には、まず通常量より少ない量から開始します。
当院では安全性を重視して、
の2回とも院内で服用していただき、服用後30分間は院内で経過を観察します。
初回投与後、問題がなければ翌日から自宅で毎日服用します。
1週間後に再度受診していただき、診察で問題がないことを確認したうえで維持量へ増量します。この増量時も当院では院内で服用し、30分間経過を観察します。
その後、問題がなければ維持量を毎日自宅で服用していきます。
スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散している時期に新しく治療を開始することはできません。
花粉飛散期にはすでにスギ花粉に対する免疫反応が高まっており、この時期に新たにスギ抗原を投与すると副反応のリスクが高まるためです。そのため、スギ・ヒノキ花粉の飛散が終了して症状が落ち着いてから治療を開始します。
一方、ダニ舌下免疫療法は基本的に一年を通して開始できます。
一度治療を開始した後は、スギ花粉の飛散時期も含め、原則として一年中毎日服用を続けます。
舌下免疫療法では、治療開始直後を中心に、
などの局所的な副反応がみられることがあります。
多くは軽度で、服用後比較的早い時間に現れ、治療を続けるうちに軽くなっていきます。一方、患者さんが特に心配されるのがアナフィラキシーです。
舌下免疫療法でもアナフィラキシーの可能性はゼロではありません。
しかし、実際には舌下免疫療法による重篤なアナフィラキシーは極めてまれです。舌下免疫療法は、従来の皮下注射によるアレルゲン免疫療法と比較して、重篤な全身性副反応が少なく、安全性の高い治療法として広く行われています。
ただし、重症の気管支喘息がある方は治療対象になりません。また、これまでに薬剤などで強いアレルギー反応を起こしたことがある方や、喘息など他のアレルギー疾患をお持ちの方については、治療開始前にその状態を十分確認し、安全性を考慮して治療を行います。
必要以上にアナフィラキシーを恐れる治療ではありませんが、「非常にまれではあるものの、ゼロではない」ことを理解したうえで、適切な管理のもとで治療することが大切です。そのため当院では、初回投与時だけでなく、1週間後の増量投与時にも30分間院内で経過を観察しています。
治療薬を服用する前後には、激しい運動、飲酒、入浴などによって副反応が強くなる可能性があります。そのため、服用前後はこれらを避けるようにします。
発熱や体調不良がある場合、喘息症状が悪化している場合、口の中に傷や炎症がある場合なども、その日の服用について主治医に確認することが大切です。
舌下免疫療法は、薬を処方されているだけでは十分な効果は期待できません。毎日きちんと服用し、それを数年間続けることが非常に重要です。
当院では単に舌下免疫療法を開始するだけではなく、安全に続けられているか、症状がどの程度改善しているか、薬の使用量が減っているか、いつまで治療を続けるのがよいかまで長期的にフォローしています。
当院では、舌下免疫療法が国内で開始された当初から積極的に治療を行ってきました。
これまでに、
累計2,268名の患者さんに舌下免疫療法を行っています。
※2026年8月時点
舌下免疫療法は、治療を開始すること以上に、毎日の服用を数年間継続することが大切な治療です。そのため当院では、単に薬を処方するだけではなく、治療開始時の安全確認、治療中の副作用への対応、症状がどの程度改善したか、薬の使用量が減っているか、治療を3年・4年・5年のどこまで続けるのがよいかなどを、一人ひとりの経過をみながら長期的にフォローしています。
また、当院にはすでに3~5年間の治療を終えて舌下免疫療法を卒業された方も多くいらっしゃいます。
治療を終えた患者さんからは、
など、うれしいお声をいただくこともあります。
もちろん効果には個人差があり、すべての方が同じ経過になるわけではありません。しかし、数年間しっかり治療を続けることで、治療終了後にも症状の改善が持続することが期待できるのは、舌下免疫療法の大きな特徴です。
幼稚園児・小学生から中高生、大学生、社会人まで、幅広い年代の患者さんが治療を続けています。舌下免疫療法は、今日飲んで明日から症状がなくなる治療ではありません。しかし、3年、4年、5年先を見据えて、アレルギー性鼻炎そのものを改善し、将来的に使用する薬を減らす、なくすことを目指せる治療です。
これまで2,000名を超える患者さんの舌下免疫療法に携わってきた経験を活かし、治療開始から継続、そして卒業のタイミングまでしっかりサポートします。
舌下免疫療法について、新潟大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室が、とても分かりやすい動画を公開されています。
など、初めて治療を検討される方にも分かりやすく解説されています。当院でも患者さんへの説明に参考になる内容と考え、新潟大学耳鼻咽喉科の許可をいただき、こちらでご紹介しています。
これから舌下免疫療法を始めようか迷っている方や、ご家族・お子さんの治療を検討されている方は、ぜひ一度ご覧ください。
