耳疾患
耳が詰まる、こもる、自分の声が響く…その原因は?耳鼻科専門医が解説👂
こんにちは。じんのうち耳鼻咽喉科・内科の院長、陣内です。
皆さんは、こんな経験はありませんか?
- ✅ 耳に水が入ったような感じがする
- ✅ 耳が詰まって、音がこもって聞こえる
- ✅ 自分の声が耳の中で大きく響く
- ✅ 飛行機に乗ったときのような耳の違和感が続く
- ✅ 耳抜きをしても、すっきりしない
こうした症状を、医学的には「耳閉感(じへいかん)」と呼びます。
耳閉感は耳鼻咽喉科の外来でもよくみられる症状の一つです。
「そのうち治るだろう」と様子を見ている方も少なくありませんが、実は耳閉感の原因はさまざまで、中には早めの治療が必要な病気が隠れていることもあります。
今回は、耳が詰まる原因と、注意していただきたい症状についてお話しします。
①耳が詰まる原因は一つではありません
耳が詰まった感じがすると、「耳垢がたまっているのかな?」「耳に水が入ったのかな?」と思われる方が多いかもしれません。
もちろん、耳垢が原因のこともあります。
しかし、実際には耳の奥にある中耳や内耳、さらには耳と鼻をつなぐ耳管の異常によっても、同じような症状が起こります。
代表的な病気をご紹介します。
<1.耳管狭窄症・耳管機能障害>
耳と鼻の奥は、「耳管(じかん)」という細い管でつながっています。
耳管には、中耳の圧力を外の気圧と調整する大切な働きがあります。
通常、耳管は閉じていますが、唾を飲み込んだり、あくびをしたりすると一時的に開きます。
ところが、風邪や鼻炎、副鼻腔炎などによって耳管の働きが悪くなると、中耳の圧力をうまく調整できなくなります。
その結果、
- ✅ 耳が詰まる
- ✅ 音がこもって聞こえる
- ✅ 耳抜きがうまくできない
- ✅ 飛行機に乗ったときのような違和感が続く
といった症状が現れます。
鼻の炎症が関係している場合には、その治療が重要になります。
<2.耳管開放症>
耳管狭窄症とは反対に、耳管が開いたままになりやすい病気が「耳管開放症」です。
特徴的なのは、
「自分の声が耳の中で大きく響く」
という症状です。
また、自分の呼吸音が耳に響くこともあります。
耳管開放症は、急激な体重減少や脱水などがきっかけになることがあり、立っていると症状が強く、横になると軽くなる場合があります。ただし、自分の声が響く症状がすべて耳管開放症というわけではありません。
診断には、症状の特徴に加えて、鼓膜の観察や耳管機能の評価などが役立ちます。
<3.滲出性中耳炎>
鼓膜の奥にある中耳に液体がたまる病気です。
特に小児や高齢者にみられますが、大人でも起こります。
- ✅ 耳が詰まる
- ✅ 聞こえが悪い
- ✅ 耳の中に水が入っているような感じがする
といった症状が現れます。
急性中耳炎とは異なり、強い耳の痛みや発熱を伴わないことが多いため、気づかないうちに症状が続いていることもあります。
成人で片側だけ滲出性中耳炎が続く場合には、鼻の奥(上咽頭)に異常がないか確認することも大切です。
②特に注意!耳が詰まるだけでも「難聴」の可能性があります
ここが今回、最もお伝えしたいポイントです。
耳が詰まるという症状は、耳管の異常だけでなく、内耳の病気でも起こります。
しかも、患者さんご自身では「聞こえが悪くなっている」と気づいていない場合もあります。
<4.急性低音障害型感音難聴>
比較的若い方から中年の方にみられることが多い病気で、低い音を中心に聞こえが悪くなります。
特徴的なのは、
- ✅ 耳が詰まる
- ✅ 耳鳴りがする
- ✅ 低い音が聞こえにくい
- ✅ 耳の中で音が響く
といった症状です。
「耳が詰まるだけで、聞こえは普通だと思っていた」という患者さんでも、聴力検査をすると低音域の聴力が低下していることがあります。症状が改善しても再発する場合があり、経過をみていくことが大切です。
<5.突発性難聴>
突発性難聴は、ある日突然、片方の耳の聞こえが悪くなる病気です。
ただし、患者さんによっては、難聴よりも耳の詰まりを強く感じることがあります。
耳鳴りやめまいを伴うこともありますが、耳閉感だけを主に訴える場合もあります。
突発性難聴は、できるだけ早く診断し、治療を開始することが重要です。
一般に、発症から治療開始までの時間が短いほど、聴力回復に有利と考えられています。
「耳が詰まっているだけだから」と何日も様子を見るのではなく、突然症状が現れた場合には、できれば当日、遅くとも翌日には耳鼻咽喉科を受診してください。
③耳が詰まるとき、耳鼻科ではどんな検査をするの?
耳閉感の原因を調べるためには、症状に応じていくつかの検査を組み合わせます。
● 鼓膜の観察
耳垢の有無、鼓膜の状態、中耳炎などがないかを確認します。
● 聴力検査
聞こえの程度を調べる検査です。耳閉感の原因が内耳にある場合、聴力検査によって初めて異常が分かることがあります。
● ティンパノメトリー
鼓膜や中耳の状態を調べる検査です。中耳の圧力や鼓膜の動きなどを評価し、耳管機能障害や滲出性中耳炎の診断に役立ちます。
● 鼻咽腔内視鏡検査
必要に応じて、鼻の奥や耳管の開口部を観察します。耳の症状であっても、鼻の奥の状態を確認することが重要な場合があります。
このように、耳が詰まるという一つの症状でも、原因によって必要な検査や治療は異なります。
④こんな症状があれば、早めに耳鼻科を受診しましょう
特に注意していただきたいのは、次のような場合です。
- ✅ 突然、片方の耳が詰まった
- ✅ 耳が詰まると同時に聞こえが悪くなった
- ✅ 耳鳴りが急に始まった
- ✅ 耳の詰まりとともにめまいが出現した
- ✅ 耳抜きをしても症状が改善しない
- ✅ 耳の違和感が何日も続いている
特に、突然の耳閉感や聴力低下は、早期治療が必要な内耳の病気の可能性があるため、速やかな受診をおすすめします。
また、急な難聴に強いめまい、ろれつが回らない、手足の麻痺などを伴う場合には、脳の病気の可能性もあるため、救急受診が必要です。
⑤院長からひとこと
耳が詰まるという症状は、日常生活の中でも比較的よく経験するものです。
そのため、「少し様子を見ていれば治るだろう」と考えてしまいがちです。
しかし、私たち耳鼻咽喉科医が特に注意しているのは、耳管の異常だと思っていた症状の中に、内耳の病気が隠れていることがあるという点です。
耳閉感の原因が何なのかを判断するためには、鼓膜を観察するだけでなく、必要に応じて聴力検査を行うことが重要です。
特に突然始まった耳の詰まりは、聞こえが悪くなった自覚がなくても、早めに診察を受けていただきたいと思います。
当院では、耳閉感や難聴、耳鳴りなどの症状に対して、耳鼻咽喉科専門医が診察し、必要な検査を行っています。
福岡市、春日市、那珂川市で「耳が詰まる」「音がこもる」「自分の声が響く」など、気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
じんのうち耳鼻咽喉科・内科
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